作業中、旦那さんが私たちに


「付き合って間もないんですか?」


と突然聞いてきた。


なぜそんなことが分かるのかと私が顔を上げたからか、彼は私の方を見て


「彼女さんの方が彼氏さんにずっと敬語だからさ、そんな気がしたんだけど」


と言った。


「そ、それは……」


確かに。
私は先生のことを「先生」と呼ぶし、敬語だって自然に使っていた。


「この間から付き合い始めたんです」


言い詰まる私に代わって、先生が答えてくれた。


「けっこう彼女若いよね?いいなぁ、年上の彼氏って頼りになるから羨ましい〜!何歳なの?」


奥さんはグイグイ突っ込んだことまで聞いてくる。


17歳って言ったらどんな顔するのだろう。


私は先生の顔をチラッと見る。


変に勘ぐられるよりは、20歳とかそのへんの年齢を答えておいた方がいいのかな。


そう思って「20歳」と答えようとしたところで、芦屋先生が


「彼女は17歳です」


と答えた。


びっくりして私は先生を見つめてしまった。


「え〜!若い!すごいなぁ」


旦那さんの方が感動したように目を輝かせたので、奥さんが不満そうに


「悪かったね、27歳で」


と腕を組んで睨みつけていた。