いいのかな、と不安になる。


博物館に入るための入場料も払ってくれてるのに、なんだか申し訳なくなった。





その後、やりたいと言っていたガラス細工の体験教室へ移動した。


教室では5〜6人がひとつのグループになって職人さんに教えてもらうシステムだった。


私と先生以外に老夫婦と若い夫婦が一緒になった。


とんぼ玉を作成することになり、職人さんの説明を聞いたあと、それぞれ道具の前に座らされる。


熱いバーナーに火が灯り、とんぼ玉の作成が始まった。


みんなが失敗しながらも職人さんの手助けを借りながら作業を進める中、芦屋先生だけが1人で模様まで入れて先に終わらせてしまった。


やっぱり美術の先生って、こういうのも得意ということなのだろうか?


若い夫婦の奥さんの方が「あちちっ」と時折大声を出すので周りの笑いを誘っていた。


「え、もう出来ちゃったんですか?」


その奥さんが、芦屋先生の手元を見て驚いたように目を丸くする。


「みんなまだ形も作れてないのにすごいですね〜!教えてくださいよ」


職人さんが老夫婦につきっきりになってきて、私も若い夫婦も作業が進まなかったので、結局芦屋先生がコソコソと私たちにアドバイスをくれたり、途中の作業を代わってくれたりした。