「ごめんね、貧血だったみたい」


私が苦笑いして菊ちゃんの頭をポンポンと撫でると、彼女はギュッと抱きしめてくれた。


そんな私たちをちょっと遠巻きに真司が見ているので、思わず首をかしげた。


「真司はどうしたの?」


「どうしたもこうしたも」


真司はちょっと機嫌が悪そうに顔をしかめる。


彼の言葉にかぶせるように菊ちゃんが笑顔で


「真司がね、萩のこと心配で心配で、どーーーーーしても一緒に保健室行くって聞かないもんだから」


と遮るように言うと、真司は慌てて首をブンブンと何度も横に振った。


「違う!違うからな!問題集返そうと思ったらいないから、どうしたのかと気になっただけだって」


どうせそんなことだと思った。


クニコ先生が言っていたクラスメイトが2人来ていたというのは、この2人のことだろう。