こころ、ふわり



「私も萩に言いたいことあってさ」


間もなく学校にたどり着くという頃に、菊ちゃんがおそるおそる言い出してきた。


「なに?」


改まってどうしたのだろう、と私が尋ねると彼女はちょっと照れくさそうに笑った。


「前に話してた村田くんと付き合うことになったの」


「えーっ!ほんとに?おめでとう!」


私は思わず大きな声を出してしまって、あとから手で自分の口を隠した。


「菊ちゃん、よかったね。私まで嬉しい」


少し声のトーンを下げてそう伝えると、菊ちゃんはとても幸せそうな笑顔を向けてくれた。


「学校違うからなかなか会えないだろうけど、この1ヶ月連絡とったり何回か会って、村田くんと付き合ったら楽しいだろうなって思ったからさ」


「そうなんだぁ。今度ぜひ紹介してね!」


舞い上がった私たちが盛り上がっているところへ、後ろから誰かが私の頭をコツンと軽く叩いてきた。


口から「いたっ」と声が漏れる。


後ろを振り向くと真司がいた。