菊ちゃんのリアクションは私の想像を超えていた。
彼女はじたばたとその場で足踏みすると、気持ちを落ち着かせようと息を何度もはいていた。
そして一言、
「で?」
と聞いてきた。
「で?って?」
「泊まったんでしょ?どうだったの?」
何を期待しているのか、菊ちゃんは目をキラキラさせて私の両肩を掴んできた。
「菊ちゃん。期待しているようなことは何も無いよ。ただ泊まらせてもらっただけ」
「嘘だぁ〜」
「嘘じゃないよ。手が触れることも無かったもん」
菊ちゃんに答えながらだんだん虚しくなってきた。
こうやって考えると、芦屋先生にとって私はやっぱり生徒の一人でしかないのだ。



