こうなってくると逃れられない。
菊ちゃんは気になることがあると答えるまで絶対に追求してくる。
うまい言い訳を考えておくべきだった。
「はーぎ〜」
と呪いの言葉でも唱えるように私の周りをぐるぐる回り始める菊ちゃん。
周りの通行人がクスクスと私たちを見ていた。
「菊ちゃん、話すから!ごめん」
私は観念して菊ちゃんにすべてを話すことにした。
1人で考え込むのも嫌だったし、菊ちゃんに芦屋先生のことで隠しごとをするのももう限界な気もしていた。
「実は……」
私は菊ちゃんにしか聞こえないように、それはそれは小さい声で金曜日の夜のことを話した。
かいつまんで、とりあえず芦屋先生の家に泊まったこと。
その前に菊ちゃんの家に泊まれないか聞こうと思って電話したこと。
もちろん澪と徳山先生のことは伏せて。
菊ちゃんはこぼれ落ちるんじゃないかと思うくらい目を大きく見開いた。
「うっそ〜!びっくりなんだけど!!」
と、周囲に響き渡る声で叫んだ。



