こころ、ふわり



少ししてから菊ちゃんが待ち合わせ場所にやってきた。


「萩、おはよう!」


菊ちゃんは朝から元気で、私も「おはよう!」と弾む声で返した。


「萩、金曜の夜、電話くれたよね?あれってなんだったの?」


歩き出してすぐに菊ちゃんに聞かれた。


しまった。


そういえば、あのあと菊ちゃんから折り返しの電話があったにも関わらず出なかったし、それからなんの連絡もしないままにしていた。


「あ、ごめんね。その……あの時は……」


言い訳を考えているうちに言葉に詰まる。


私のその挙動不審な言動を菊ちゃんが見逃すわけがなかった。


菊ちゃんは眉を寄せて、私に顔をグイッと近づけてきた。


「ん?怪しいな。すぐに答えられないことなの?」


「いや、そんなんじゃないよ。ほら……あの時、台風すごかったから、ね?菊ちゃんのことが心配になっちゃってさ」


自分でも面白いくらいにしどろもどろな答え方になってしまった。


菊ちゃんは目を細めると


「萩?怪しすぎるよ?」


と腕まで組む仕草をした。