しばらくして、道路沿いの駐車場に車を停めた先生が


「着いたよ」


とエンジンを止めた。


私はいそいそと助手席から降りて、傘を開こうとした。


さっきよりも増して天候は悪くなっていて、逆に傘をさすのは危ないような気がした。


それは芦屋先生も同じだったようで、すぐに私のそばに来て


「傘は辞めた方がいいよ」


と言った。


駐車場からすぐのところに2階建ての綺麗なアパートが建っていて、先生の家はここのようだ。


芦屋先生についていくように、私は後ろ姿を追った。