金曜日はこうやって澪はどこかの教室で時間をつぶして、徳山先生の帰りを待つんだ。


そして人目を盗んで、2人で車に乗って徳山先生の家へ行く。


ずっと前に菊ちゃんが言っていた、「先生と生徒の禁断の恋」というのはまさに2人のことなのだと実感した。


窓の外が真っ暗になった頃、雨の影響もあってか澪が予想していたよりも徳山先生が現れたのは早い時間だった。


私たちがいる教室に、徳山先生が入ってきた。


「澪、お待たせ。……あれ?」


徳山先生は澪の隣にいる私にすぐ気がついて、少し驚いていた。


「お疲れ様」


澪はニコッと笑って、徳山先生の元へ駆け寄る。


そこで彼女は「あ!」と声を上げた。


何かあったのかと思って私も彼女のそばまで行くと、徳山先生の後ろに芦屋先生が立っていた。