私は仕方なくカバンからコツコツ勉強して終わらせた問題集を取り出して、真司に渡した。
「どうぞ」
「ありがとう!今度なんかおごる!」
私の手から問題集を受け取った真司はパッと笑顔を浮かべてお礼を述べると、急いだ様子で自分の机に戻って私の問題集を自分の真っ白な問題集へ答えを写し始めていた。
なんだかんだ文句は言い合うけれど、心の底では彼のことをいい友達だとも思っているので、今度高いアイスでもおごらせようと密かに考えたりした。
「萩、朝の集会行こう」
馴染みの菊ちゃんの言葉で、私はうなずいて席から立ち上がる。
宿題をやっていない数人を教室に残して、私たちは他のクラスメイトと一緒に体育館へ向かうことにした。



