「美術部の部活には行かなくて大丈夫ですか?」
芦屋先生はいつもこの時間は美術部の部活のために美術室にいるはず。
私なんかに付き合ってもらって申し訳なくて聞いてみたけれど、先生は少し言いづらそうに苦笑いしながら答えた。
「ちょっと俺もサボりたくてね。美術部の活動は、俺がいなくても困らないし」
「でも私、描くの遅いです」
「かまわないよ」
笑ってそう言ってくれる先生を見ていたら、胸がギュッと締めつけられた。
先生。
もう私にはよく分からないよ。
いっそのこと突き放してくれたらよかったのに。
昨日だって、真司に気持ちが傾きそうになったのに。
また先生に夢中になってしまう。
私の心は芦屋先生でいっぱいになってしまった。



