「偶然だね。俺もこの絵、大好きなんだ」
芦屋先生は嬉しそうに笑っていた。
ここ最近あまり見ることの出来なかった、先生のそういう笑顔。
私の胸が一気に熱くなる。
「まだ色をつけてないんです」
困ったような顔をされると思っていたから。
こんなに嬉しそうに笑ってもらえるなんて思っていなかったから。
沈んでいた気持ちが浮き上がる。
「まだ時間あるから頑張ってね」
芦屋先生はそう言って、私たちの後ろの席へと移動していった。
「全然気まずくないじゃん」
小声で菊ちゃんが私に耳打ちしてきた。
この間の先生がいつもと違う気がしたのは、私の勘違いだったのかな。
不思議で仕方なかった。



