こころ、ふわり



私が黙っているからか、彼女は言葉を続けた。


「それに片想いかどうかなんて分からないよ?私だって透に告白した時、片想いだと思ってたら両想いだったんだから」


「澪から告白したの?好きって?」


「うん、そう。たぶん透は私の気持ちに気づいてただろうし、だったら言っちゃおうと思って」


凄すぎる。
彼女の勇気が私には眩しい。


芦屋先生と2人でいると、嬉しいけれど死ぬほど緊張するし、告白なんて夢のまた夢に思えた。


「どうせ振られるのに告白なんて出来ないよ」


私の本音が口から漏れる。


澪のように美人でスタイルが良ければ自信を持てたかもしれない。
でも私は本当にいたって普通の、なんの変哲もない女子高生だ。


「私ね、実は……徳山先生と澪を駅前で2回、見かけたことあるの」


私が急に話し出したので、澪は驚いたように「えっ!?」と声を上げていた。