メモを読んで思わず吹き出してしまった。
「吉澤さん、どうしたの?」
急に笑ってしまったせいで星先生が怪訝そうに私を見つめてきた。
「あっ、いえ!」
すぐに愛想笑いを返して、周りに分からないように澪を小突く。
澪も笑いを堪えるのに必死の様子だった。
「教師が6人、実行委員の生徒が4人だから……」
星先生は私たちの顔を見回しながら指折り数えて人数を確認した後、
「ローテーションで夜の22時まで、見張り頑張りましょうね!夕食後19時半から配置する感じでいいかしら?」
と意気揚々となにやらノートに書き込んでいた。
「私が勝手にどの時間帯に誰がどこの見張りをやるか決めちゃってもいいかなぁ?」
と期待を込めた目をした顔で私たちを見る。
澪が不機嫌そうな態度をあらわにして返事をしないので、私が代わりにうなずいて見せた。
「はい!そうしてください」
「じゃあ次回までに決めて、持ってくるね」
星先生はとても楽しそうだった。
たぶん。
たぶんだけど、うまい具合に自分と若い先生を同じ時間にして、いっぱい話せるようにするに違いない。
若い先生というのは、おそらく徳山先生と芦屋先生だ。
星先生がそういうキャラだとここで初めて知った気がした。



