こころ、ふわり



ところどころの会話しか聞こえなくて、私の心はざわつくばかりだった。


缶コーヒーを飲む芦屋先生を、その女子生徒はじっと見つめながら


「先生って、今彼女いる?」


と尋ねているのが聞こえた。


昨日、私があんなに葛藤して最終的に聞けなかった質問。


彼女はいとも簡単に芦屋先生に聞いていた。


その質問に芦屋先生が答える。


「いないよ。でもそれを聞いてどうするの?」


「いないの?じゃあさ、生徒と付き合いたいって思うことない?」


「思ったことは一度も無いなぁ」


女子生徒との会話が、やけに私の頭にこだましてくる。


色々考えるよりも先に彼女は少し口をとがらせて不満をあらわにしていた。