こころ、ふわり



弓道場では菊ちゃんをはじめ、試合に出る予定の部員達が優先的に弓を握って練習していた。


羨ましくなりながらも、私は顧問の先生に声をかけて自分の怪我の報告をすべてしたあと、2ヶ月後には戻れるように頑張ると伝えた。


「待ってるよ」


先生はそう言って笑ってくれた。


私は昨日弓道場に置いたままにしていた袴を家に持って帰るため大きな袋に入れて、カバンを抱えると弓道場から出た。


ふとそこで渡り廊下にまた芦屋先生がいるんじゃないかという期待が膨らむ。


会いに行くのはやめたつもりだったけれど、やっぱり会いたい。


昨日のお礼も改めて言いたかった。


いったん校舎に入ってから渡り廊下へ向かう。


すると、校舎の中から渡り廊下に芦屋先生がいつものように手すりにもたれて休憩しているのが見えた。


私の足は自然とそこへ向かっていた。