いよいよ冬と、嫌な受験のシーズンが来る予感が、現実へと変わる十一月のこと。

 美陽は、いつものように教室に入って、席に着こうとしたら――

「あっ!!幽霊だ!!」
「はぁ??」

 クラスの男子が、美陽にこう言った。

――まだまだ子どもだなぁ――

 っと思っていたら・・・

「和泉がさ、幽霊と付き合っているだって!!」

「本当??」
「本当だって!!俺、見たからね。」
「マジで??!!」

 男子がこうやって、美陽をからかう。

 なんだか、嫌な予感がしてきた・・・

「本当?幽霊が彼氏とはありえないし!!」
「はっはっはぁ~~~。」
「えっ??なになに!!なんかあったの??」

 男子の会話に、何かいいことを聞いたような声で、割り込む女の子たちが。