意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜

相手のサーブで第２セット開始。

私は浅田先輩にＣクイックのサインを出した。
浅田先輩は『大丈夫なの？』という表情をしたので、私は自信を持って小さく頷いた。

相手高校は、セッターが変わり、しかも一年生という事で、最初はオーソドックスにＡクイックを予想してると思う。

そこで私はその裏をかこうと思った。

ホイッスルが鳴り、相手のサーブを加奈ちゃんがレシーブ。たぶん加奈ちゃんが狙われたんだと思う。

加奈ちゃんがレシーブしたボールはやや長かったので、私はタッチネットに気を付けながらジャンプしてトス。

浅田先輩はいったんＡクイックのコースに走り込み、横にコースを変えて私の後ろでジャンプ。

相手のブロック２枚はＡの位置でジャンプしてしまい、慌てて横に修正したけど間に合わない。