意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜

それでも水嶋先輩は頑張ってると思う。

数少ないチャンスを、多少無理な態勢でも、ほぼ100バーセント、スパイクを決めていた。

先輩はレシーブでも頑張っていた。

自分へのボールは、ほぼ完璧にレシーブをし、味方が弾いたボールはどこまでも追い掛け、届かないと分かっていても、スライディングレシーブをした。

「あんな真剣な遼は初めて見たわ」

隣で浅田先輩がそう呟いた。

「いつもはあんな風に、頑張らないんですか?」

「全然よ。いいトスしかまじめにスパイク打たないし、人が弾いたボールを相手コートまで拾いに行くなんて、普段のアイツじゃ考えられない。まるで別人を見てるようだわ」