「……はぁ……はぁ……」 ドアに額を付けたまま荒い呼吸が治まるのを待つ。 ……何なのあの男。 ……変態?ストーカー? ……ううん。考え過ぎかも。道に迷ってる人だったのかも。 ……でも、それにしては怪し過ぎる。 瞬く間に様々な考えが頭を巡る。 ……追っては来てないのかな。 そっと顔を上げると、ドアの覗き穴に目が留まった。 ……怖い。でも確かめたい。 バクバクと壊れそうなくらいに高鳴る胸を押さえたまま、そっと……覗き穴を覗いた。