「おなか減ってない?飯にしよっか」

彼はそう言うと立ち上がりキッチンへと向かっていく。

……ここに来てからのご飯は、彼が作ってくれている。

私は隠していたが料理が苦手で……実は卵焼きも満足に作れない。

そんな私はいつも彼の横で、ピーラーで皮剥いてとか、ラップかけてチンしてとか……そんな子供のお手伝いの様な事しかしていない。

そんな事を今更考えながら彼の後をついて行くと「今日は手伝わなくていいよ」と部屋に追い返された。

少し居た堪れない気もしたけど、大人しく部屋に戻るとテレビの前に座り、リモコンで電源を入れた。