「もういいんだよ……レン。私は大丈夫」 瑞穂はそう言うと真っ直ぐに僕を見つめた。 その瞳は今まで僕が見た事がない強い瞳で、まるで瑞穂が瑞穂では無くなってしまったおかしな感覚がする。 だって瑞穂は気が弱くて泣き虫で……とても繊細な女の子。 僕が全てを掛けて守らなければ……壊れてしまう可哀相な少女。 しかし今の彼女はそんな事を微塵も感じさせない強さを纏っている。 こんな風に全てを受け入れた様な強い瞳など見た事が無かった。