「失礼します」 少し息を呑んでからそっと扉を開くと、白い小さな部屋に置かれているベッドに横たわる彼がそっと体を起して私を見つめた。 「こんにちは……綾子ちゃん」 彼はそう言って困った様に笑うと、窺うように古川さんに視線を移した。 「俺は外で待っている」 古川さんは不機嫌そうにそう言うと、少し乱暴に扉を締めて部屋を出て行った。