「……さぁ?どうしてだったかな」 そう言って霧島はクスクスと笑うと、手錠の掛けられた手を小さく上げた。 「……鈴村誠。アンタはもうこの事件に関わらない方がいい。……近藤さんの様になってしまうかもしれないよ」 霧島は悲しそうに笑ってそれだけ言うと、クルッと背を向け、また外へと向かって歩き出した。 「……っんだよ、それ!!」 霧島の背中に向かってそう叫ぶが、霧島は振り返らない。