「……もう……もういいでしょう!!」

近藤が声を荒げ叩きつける様にリモコンのボタンを押すと、少年の姿が消えた。

画面にはただ、深い闇の様な黒が佇んでいるだけ。

近藤は両手で顔を覆ったまま、噛み切りそうな程強く唇を噛み締めている。

……吐き気がした。

グッと歯を食い縛る。

……腐ってやがる。

悲しい少年の姿を思い出し、何かを抑える様に更に強く歯を食い縛った。

……だから……だからアイツは……

「……霧島修司を洗う」

その微かに震える呟きと共に、銜えていた煙草の灰がポトリと机に落ちて行った。