「バンド娘-3」





「相変わらずの
性格みたいだね。

昨日は珍しくここに
いなかったが、
どうしたのサ?」









……?

私を知っている?








その口振りからして
知り合いなのか
まじまじと
顔を見つめたが、

こんな人は初めて見る。









「あの~…

生きてる時、
どこかで
お会いしましたっけ?」









そう里子が聞くと、

いんや、と言って
相手は首を振る。








じゃあこの人は誰?



霊に知り合いなんて、
田中さんや姉御さんしか
知らないし……








すると、
その霊は丸太に腰掛けた。









「アンタも座りなよ」









里子は
先程ビックリして、
立ち上がったままだ。








「はい…」









言われるがまま
腰掛ける里子。








朝日が出始め、
森に居る鳥達を
ふ~~っと落ち着いて
眺める。









もちろん里子は
そんなリラックスした
状態にはなれず、

少し緊張した趣だ。









「……?

ほら~~
何固くなってんのさっ。

ここはアンタの
ホーム場所でしょ?」









そう言って、
その霊はバンと
里子の背中を叩いた