霊務3

【霊務-6】





そんな様子を見て、
大男は慣れた様子で
首をフイっとやる。








その合図を見て、
オジサンは里子に
話を進める。









「もう、
何万回と見てきたけど、

ここに来たからには
残念だけど
もう君は死んでるんだ」









嫌だ…認めたくない…!








そんな想いから、
里子は大男の方に
食いかかる。









「そんな…!
どうしてですか?!

病死って
一体何ですか!?
私、死ぬわけには
いかないんです!!

友達もいるし、
お母さんも早くに
亡くなっちゃったから
お父さん1人に
なっちゃう!」









ツーっと頬を伝わる涙。




離れたくない
大切な人達と、
もう会えないのは
嫌らしい。









しかし、
それも当然
このベテラン霊
2人から見たら、

自分の死を
認めない霊と言うのは
よくある光景なので、

あしらい方も
よく分かっていた。









「ん~~お前さん
辛いようだったら、
全てを忘れて
もう一度生き返る事だな

そんな選択肢もあるから
そうした方がいい」









とにかく
死を否定しない言い方。



生き返るって事は、
やはり
死んだのを認めろと
言っている様なもんだ