「里子と愉快な仲間達-27」





当然里子は
そんな事をするタイプの
人間ではない。









いくら早くレベルが
上がろうが、
自分の友達や家族を
そんな事に利用するのは
出来なかった。









「分かりました
やります」








しかし
出たのは逆の言葉。








できませんとは
ハッキリ
言いにくかったので、
とっさに
嘘をついてしまった。









「じゃあ早速行こうか。

時間は
待ってくれないんだ」









………昔、
オジサンは
同じ様なやり方で、

1人の娘のレベルを
数段上げた履歴がある。









その時は、
この学校内の霊達が
殺さね兼ねない事件が
絡んでいたので、
仕方なく
緊急のやり方として
その手段を用いた。








今回に至っては
何も急ぐ事など
ないハズなのに、

どうも焦りが
見え隠れしている。








そんな半ば強引な
レベルの上げ方を
しようとする
オジサンに対し、

サキは見送りながら
言った。








「…本気かい?
相手は四獣霊だよ?

それだけは
肝に銘じときなよ」









聞こえているか
いないか
分からないが、

遠くから言われたので
オジサンは返事をせず
里子と共に
闇に消えて行った……