霊務3

【悪魔とその片腕─32】






しかし、
こんな状況になっても
そこまで
このボスを庇うとは…!












無理矢理脅され、
言いなりになってる
わけでもあるまいし、

かと言って
目的も感情も薄い
この男が、
ここまでする理由が
見当たらない。












今まで相手にしてきた
利己的な白虎や玄武と
性格は明らかに違うのだ。











それは、
四獣霊の仲間であった
火鳥が、
一番不思議に思っていた。











「竜騎………

お前は
何でそこまでするんだ?

弱みでも握られてるのか?」












返答はないだろうが、
それでも火鳥は
一言聞いときたかった。











すると、
予想に反し
竜騎が口を開いた。











「火鳥……

アナタには分からない
でしょうが、
これは自分で決めた道。

この方にずっと付いてくと
心に決めたのです。

それが絶対悪であっても…」













いつもは
何も言わない男が、
こうもハッキリと答えた。











その真剣さが、
元同じ仲間の火鳥にだけ
伝わった。












「そうか…

俺も里子ちゃんを守る為
引けねーなあ」












お互い譲らない。


己の信念の為、
どちらも曲げることは
できないのだ。












「さて…と…」










ボロボロの体を起こし、
火鳥は手に炎を宿して
首を屈伸させた。











「俺と勝負だ。竜騎」










火鳥は
同じ仲間であった竜騎に
勝負を挑んだ