「里子と愉快な仲間達-1」






あれから…

一年の月日が経ち…









オジサンはようやく
里子の様子を見に、
再び霊務場所である
森林までやってきた。









「一年とは早いものだ…

さて、
里子君は元気に
やってるかな?

生き返りの選択しに
来なかったとこを見ると
根気よく
やってるみたいだけど。

まさか、
『あの時の彼女』
みたいに、
もうレベル10に
なってる…

何て事はないよな。

まあ、そしたら
逆にありがたいけど」









そう
ブツブツ呟いていると、
森からガサッと
何かが出てきた。









「あの~…」









急に出てきた霊に
オジサンは
ちょっとビックリした。









「うわあぁぁ!

…あ、なんだ
里子君じゃないか」








出てきたのは里子。








あまりに存在感がなくて
気付かなかったが、
前と変わらず
礼儀正しい顔が現れた。








「お、覚えてて
くれたんですね…

田中さんお元気そうで」








「そりゃ
覚えてるさっ。

いや~今まで放置してて
ずっと悪いと
思っていたが…」








そう言い掛けると、
オジサンはまじまじ
里子の顔を見た。







すると…








「な、な、な…

レ、レベルいちぃ!?」








オジサンは
ビックリした声を
再び上げる。







実は
オジサンの目は特別で、
霊のレベルを見ることが
出来るのだ。







そうして今見た
里子のレベル。







一年前と変わらず、
レベル1の
見習いクラスのまま。







あまりの
上達の悪さに、
驚きを隠せないで
いたのであった