霊務3

【悪魔とその片腕─25】



操られながらも、
最後の最後まで抗う。









「何でよ……
お願い!
アイツの力を吸って!

このままじゃ…
私が頑張らなきゃ
みんな死んじゃう!!」










力を振り絞っても、
うんともすんとも
言わない。










「どうして…」









そんなうなだれる里子を、
意識の遠のきそうな
オジサンが見ていた。









「うう…里子……君…」









その声に反応し、
何とか耳を傾ける。









「田中さん…!?」








静かに…

消え入りそうな
オジサンのその声だけが、
聞こえてくる。








「ハアハア…

き、君は一つ、
思い違えてる…

君の特殊能力は
『相手の能力を吸う』
じゃないよ…」








「えっ…?え?
だって…」








亀咲戦での出来事が
脳裏に霞む。







先の戦いでは、
それが出来たのに何故?








「君は礼子君の霊体を
自分の能力で吸収したと
勘違いしてるけど、

違うんだよ……

彼女は…

礼子君は自らの意志で
君の体に飛び込んだんだ…」








それを隣で聞いていた
サキも、
倒れながらも声をかけた。








「う…

何だって…?

あの子の能力じゃ
ないって…

じゃあなんで、
あの子の中に
飛び込んだんだい?」








オジサンは
事が切れる寸前で、

最後の言葉を振り絞った。









「里子君……

き、君は…君はな……」








ドックン…

ドックン…









「君は……




…あの礼子君の…



『娘』なんだよ……」