【初仕事の始まり-10】






「もういいぜ…
行こうよ」








誰かがそう言うと
仲間の1人が
泣き崩れている
男の肩を掴み、

そのまま車に
乗り込んだ。









「あ……あ…」








里子が待ってと
言わんばかりに
手を伸ばすが、
あっと言う間に
車は二台共
去ってしまった…









………



なんと言うことだ…


最初から
失敗に
終わってしまった…









怖がられなかったなら
まだしも
気付かれないというのは
いささか問題がある。








いささか問題…

いささかいささか……







いささか先生!!








なんてバカな事
思い付いてないで、
冗談抜きで
この失敗はでかい。







それを
分かってるからこそ
里子はショックを
受けているのだ。









「あ…私……私…」









クヨクヨするものの
何とか頑張ろうという
気持ちは
まだまだある。









後悔する間もなく、
次がどんどんあるんだ!








(が…頑張らなきゃ!)









今回の事を糧に勉強して
里子は気合いを入れ直す










こうして
何日も何日も……



幾度となく
霊務を繰り返していった…