【悪魔とその片腕─1】





獅死雄との戦いは、
終わった…









残すはあと2人!










あそこでヤツらが
待っている。










…とみんなで
選択の間に行く前に、

怪我の治療だけでも
しよう。










そう言った事で、

近くにある食べ物を
勝手にパクってきた
サキは、
それを地面に置いた。










「これ……

霊のアタシ達が
どうするのサ?」










まだ新人のキサラは、
頭にハテナを浮かべ
質問をした。









そう言った質問は、
いち早くオジサンが
答える。











「ハッハッハ。

これはねキサラ君。
人間で言うお供え物さ。

食べ物から出る
微弱なエネルギーを吸って
霊気を養うって事だよ。

傷が完治する
わけじゃないが、
ないよりかはマシだからね」











昔、
礼子に同じ事を話し、

『へ~そうなんだ』と
彼女は霊体のクセに、
ムシャムシャと
お供え物を
食っていたのを思い出す。











本当に、
有り得ない女だった…










まあ
そんな思い出話より、
さっさと癒されよう。










みんなで輪になって
一息休憩を入れていた。










ちょっと、
持ってきた
食べ物の量が多く、

お店の人 大損。









ギリギリ経営を
務めていた、
小さな商店街の小売店
『マジかよ精肉屋阿部』は、

これをキッカケで
潰れてしまった。










余談だが
後に吹っ切れたこの店は、
こんな商店街に
風俗店を出し、

オーナー阿部は
摘発されるのであった…