霊務3

【初仕事の始まり-7】






ヴォーンヴォヴォヴォーン









暴走族のような
うるさい音を出す車…


俗に言う
『走り屋』が
この森の近くを
通っている。









不意に
車の音は遠くで止まり、

何やら
停車させている
感じがした。








(そんなに遠くない…
行ってみよう)








里子は急いで
車が止まったであろう
現場まで向かった。









すると、
見えて来たのは
二台の車。







辺りは既に夜なので
車が明るく目立ち、
すぐに確認できた。










「ワーハッハ!
バカじゃねえのか
オメエ!!」









森中に響く人間の笑い声



車から降りて
数人で談話をしている
ようだ。









―――っとアレは!










里子の目に、
四角い形にした物が
映った。









それは紛れもなく
デジカメであり、
どうやらこの連中は
ライトで照らされた車を
撮るらしい。








人それぞれの
芸術的価値観なんて
分からないものだ。









こんなのが
カッコ良く思うなんて。








ともかく、
いきなりのチャンス!







里子の初霊務が今始まる