霊務3

【初仕事の始まり-6】






ヒュ~………

ガサガサ!









ビク!!!









いちいち風の音で
怯える里子。









これでもまだ、
普段の彼女に比べたら
まだマシな方である。









普段ならば、
もうこの時点で
逃げ出しているが、

霊になった里子は
少し違う。








それはやはり
霊と言うのは
体を持たない為、

恐怖に対する概念である
『心臓の鼓動』が
しないからであり、

それが怖さを
緩和させていた。









なので、
大抵の霊は
暗いとこを好み、

肉体は無けれど
人間を怖がらせる
楽しい感情はあるので、

好んで霊務を行っている









まあ、
人を脅かすのを
好むタイプでない
里子のような霊は、

仕事と同じく考え
せっせと霊務に就くのだ。









(早く…
仕事しなきゃな…)









そう思っているそこへ、
荒々しい車の音が
遠くから聞こえてきた