「託された願い-15」





ゴゴゴゴゴゴ……







ついさっき通ったばかりの
風景とは違っていた。








無残にバラバラになった
資材等の残かい。



台風が通り去ったかのように
メチャクチャになっている。








どう見ても、
強力な力同士が
ぶつかった後だ。








「里子君?!」








近くにいたオジサンが、
選択の間に通じる
トンネルから
出て来たのを見て、

驚きの声を出した。







「田中さん…?」








久々に知った顔に会った
里子は、
安堵の表情を浮かべる。







一気に緊張感が抜けた。








「ど、どうして君が
そんな所から?」








「えっ…と

選択の間の番人さんに、
この中を護ってくれって
言われたんですけど、

既に中には……」








里子は一息ついた後
その経過を話し、

ボスの目的も告げた