「託された願い-1」







「んん……っ」









これだけの
騒がしい戦いに、
里子は自力で
目を覚ました。










「おお…

目覚めたか、娘よ」









大男が近付くと、
里子は敵かと一瞬
ビクッとするが、

自分が死んだ時の、
あの番人だと
直ぐに理解出来た。









「アナタは確か……

うっ…頭…痛い…」










無理もない。

首を長時間
絞められたのだから。










「さ。起きれるか」









大男は
優しく里子を起こし、

支えてあげた。








私…

確か…

カー君に…









そう思っていると、

大男は肩をポンと叩いた。










「悪い夢を
見ていたようだな。

もう大丈夫だ。
心配するな」










夢…?









そっか……夢か……









カー君が、
あんな事するわけ
ないもんね……










未だボーっとする頭で、
先程の出来事は
悪夢とそう思う事にした