【霊務-20】
偶然にしろ
何にせよ、
自分に語りかけている
父の言葉を
聞かないわけには
いかない。
里子はそのまま
黙って聞いていた。
「母さんは……
強い人だ……
お前はまだ、
そんなに母さんの事
知らないだろうが…
だから…
父さんは悲しまない。
悲しんだら
母さんに叱られるから…
お前も
母さんを見習って
そっちで
元気で暮らすんだぞ」
――――――っ!!
それを言われた里子は、
自分が感じていた
何とも物言えぬ感覚の
正体が分かった。
強い父を見て…
自分は自分が死んだ事で
父は絶望の淵に
立たされてるのだと
勝手にそう思った
自尊心。
それがむしろ
恥ずかしくも
思えるくらい、
父の芯は
しっかりしていて
自分が
甘えていた部分にも
気付いた。
こんな……
失われた側が強いのに…
私は…
私は………
里子はそれだけ聞くと
何かまだ
喋るかもしれない
父の姿を後にして、
呆気なく
家を出て行った。
これ以上
何も聞く意味はない。
聞けば、
また甘えも
出るかもしれない。
だから、
甘えてばかり
いられない。
自分も
強くならなきゃ…!
この世界で強く!!
まだ来たばかりの所だが
誰にも負けないくらい
しっかりと
霊務をしよう。
絶対…
絶対弱音は吐かない…!
そう心に誓い、
里子は足取りを強くした
偶然にしろ
何にせよ、
自分に語りかけている
父の言葉を
聞かないわけには
いかない。
里子はそのまま
黙って聞いていた。
「母さんは……
強い人だ……
お前はまだ、
そんなに母さんの事
知らないだろうが…
だから…
父さんは悲しまない。
悲しんだら
母さんに叱られるから…
お前も
母さんを見習って
そっちで
元気で暮らすんだぞ」
――――――っ!!
それを言われた里子は、
自分が感じていた
何とも物言えぬ感覚の
正体が分かった。
強い父を見て…
自分は自分が死んだ事で
父は絶望の淵に
立たされてるのだと
勝手にそう思った
自尊心。
それがむしろ
恥ずかしくも
思えるくらい、
父の芯は
しっかりしていて
自分が
甘えていた部分にも
気付いた。
こんな……
失われた側が強いのに…
私は…
私は………
里子はそれだけ聞くと
何かまだ
喋るかもしれない
父の姿を後にして、
呆気なく
家を出て行った。
これ以上
何も聞く意味はない。
聞けば、
また甘えも
出るかもしれない。
だから、
甘えてばかり
いられない。
自分も
強くならなきゃ…!
この世界で強く!!
まだ来たばかりの所だが
誰にも負けないくらい
しっかりと
霊務をしよう。
絶対…
絶対弱音は吐かない…!
そう心に誓い、
里子は足取りを強くした



