「裏切りと札―1」






一方
里子・オジサン・火鳥の
3人は、

キサラの帰りを
待ちながら、

いつ襲い来るかも
分からない07に、
警戒を立てていた。










チェスでも将棋でも、

守り一手とは、
劣勢の懸念を抱かせる。










出来ればこちらからも、
何か仕掛けてやりたいが、

選択の間を
守らなければならない。










そんな事から、
ずっと待っていると…










「キサラ!!」










里子は、
遠くに見えるキサラを
発見して声を上げた。










1人歩くキサラは、
元気良く手を振っている。











どうやら、
何事もなかったようだ。









その身が
無事だったのを認識し、
安心した里子は、
急いでキサラの元へ
走って行った。










「オイ!里子君?!

待て!
キサラ君何て
どこにもいないぞ?」










そんな声も届かず、
里子は確かに見えた
キサラの姿を追った。









さっきまで
見えていたのに、

何故か姿を眩ました
キサラを…