「始まる戦い―1」






首尾は……?








上々…










闇の中で何かが蠢き、
言葉を交わす。










ここは、
富士樹海の
ずっと奥の洞窟…










そこに、
6人と影と
1人の大きな影が、
怪しく揺らめいている。









「火鳥はどうした…?」










大きな影…

その主である
ボスがそう言うと、
07や四獣霊達は
分からないと首を振る。









「あの男…
よくフラ~っと
どっか行っちゃうから
よく分かんないわ」








玄武の亀咲は、
髪をクルクルしている。









「フン…
ここにいる、
偵察だけが取り柄の
バカとは違うがな…」










それを聞き、
『何を!』っと
鎌桐が食いかかろうと
睨んだ先に居るのが、
白虎の獅死雄(ししお)










「お前は何も
知らないのかい?
竜騎」










………









ボスにそう呼ばれた男は、
少し黙ってから答えた。










「僕は……
知りません…」









その一言しか
言わなかったのが、

四獣霊である、
青龍の名を継ぐ
竜騎(りゅうき)
であった。








しばらくして、
ボスは語った…









「そうか……
どうやら向こう側に
付いたようだね…

裏切り者は『死』だ」









そう言うと、
分かりましたと
言わんばかりに、

竜騎以外の全員が
「ハッ!」っと
膝を地面につかせて
返事をした。









「では諸君……

戦いを始めようか」








静かな黒い笑みで、
それは悠々と動き出した