「現れた悪魔-17」






ピチャン……



ピチャン……









里子達が厳しい修行を
行っている中、

ここ富士の樹海にて
おぞましいものが
蠢いていた。








森の森の…


その更に先にある、
富士の洞窟…







天然の鍾乳石から
水が不気味に
滴り落ちる。








ザッザッザ…









奥に進むにつれ、
耳にうざったらしい
音が聞こえ始めた。









カーン…カーン…








洞窟なので音が反響するが、
ここはやけにこだまする。








その音の中心である
場所にて、
足を止めた。







「チっ…

オイうるせえよ。

山田」









音だけ鳴る暗闇に、
そう投げかける。




返事は直ぐに返ってきた。









「ウヒヒヒ……

もう任務は
終わったのかい……」










「―るせえな。

オレっちのが
先輩なんだから
お前は敬語を使え。

霊界に来て間もない
ヤツが…」









「ウヒ?

同じ07でしょ。

みんなと一緒だよ」









会話をしながら、
カンカンと音を立てる
闇の者。








その音にイラつき、
怒鳴り散らす。










「だあ!
うるせいな!

どこでも
釘なんて
打ってるんじゃ
ねーよ!!」









するとその会話に、
別の闇が加わった