素敵すぎる上司

「どうぞ」


香取さんとなら間接キスになってもいいと思い、イチゴのシェイクを香取さんに差し出した。


香取さんは手を使わずにストローをくわえ、一口すすった。


「うわ、甘い」


「甘いのは嫌いですか?」


「あまり好きじゃないね」


「香取さんのはアイスコーヒーですよね?」


「そうだよ。飲んでみる?」


「ちょっとだけ……」


私は差し出されたアイスコーヒーのストローに指を添え、本当にちょっとだけ飲んでみた。


「苦い……」


香取さんのコーヒーは、ブラックだった。


「あはは。佳奈子さんは逆に苦いのが苦手らしいね?」


「はい、子供みたいですよね?」


「別にいいでしょ? 好きずきだからさ」


「ですよね?」