素敵すぎる上司

「じゃあさ、土曜日に来るから、買い物に付き合ってよ」


「え? 私も行くんですか?」


「そう。何て言うか、部屋に合った物を買わないといけないだろ? だから君にアドバイスしてほしいんだ」


ああ、そうか。要するに、庶民が使う物が香取さんには分からないって事ね?


ここは本来は怒ったりいじけたりするところかもしれないけど、香取さんが相手だと、不思議とそういう気持ちにならなかった。


「いいですよ」


むしろ、香取さんと出掛けられる事が、楽しみにさえ思えた。