素敵すぎる上司

「香取さん、先に部屋を見てください」


郁美が変な事言うから、香取さんの顔をまともに見られなくなっちゃったじゃない。


「2階なんです」


「おお」


私は階段を上がり、お父さんが使っていた部屋に香取さんを案内した。


「ここです。6畳の和室なんですが、どうですか?」


「別に問題ないんじゃない? でも、見事に何もないね?」


「先週、すっかり整理したんです」


「そう? じゃあ、買い物しないといけないな?」


「家財は香取さんの家から運ぶんじゃないんですか?」


「いや、向こうはそのままにしたいし、面倒臭いからね。こっちで必要な物はこっちで買うよ」


なんか、また香取さんに余計なお金を使わせちゃうみたい……