「そろそろ帰らないか?」


時計を見ると、定時を1時間ほど過ぎていた。


「はい、そうします」


香取さんが待ってくれていたので、私は急いでパソコンを落とし、帰り支度をした。


職場には、まだ半数ぐらいの人が残って仕事をしていた。


いつも定時で上がっていたので知らなかったけど、みんな遅くまで頑張ってるんだな……


「お先に失礼します」


「お疲れー」


香取さんの後を追うようにして職場を後にすると、みんなから怪訝そうな目で見られてしまった。