素敵すぎる上司

翌日。


会社に向かう私の足どりは重かった。


思えば、香取さんに送ってもらったのが失敗の元だった。


バイト先のコンビニは大通りに面してなく、大通りから少し入った所にある。


だから、そこで会社の人に会う事はないと考えていた。


香取さんは、昨日私を送ってくれた時に、あのコンビニの存在に気付いたのだろう。


だから、帰りに大通りから逸れて、あのコンビニに寄ったに違いない。


親戚の店を手伝っている、と言ったら許してくれたのだろうか……


でも、そんなすぐにばれるような嘘はつきたくない。


ハアー


昨夜から溜め息ばかり出る。


この就職難の時に、再就職出来るんだろうか……