素敵すぎる上司

しばらく沈黙が続いた。


「恐い奴と思った? あるいは冷たい奴と、思ったかい?」


「それは……」


確かにそんな風に思っただけに、なんて答えていいか分からなかった。


「俺だって、本当はそんな事はしたくないんだ。でも、出版部門にとって、経費の節減は急務なんだ。存続が賭かってると思う。

どんな数字が出るかは分からないけど、俺の予想だとびっくりするような結果が出ると思うよ。

その作業を、渡辺さんに手伝ってほしいんだ。いいかな?」


「分かりました」