素敵すぎる上司

「佳奈子?」


「拓哉さん、逃げてください!」


「佳奈子……。おまえって、本当に可愛い女だな?」


拓哉さんは、私を後ろからぎゅっと抱きしめ、耳元でそう囁いた。


「え?」


「渡辺さん。あなたのお陰です。ありがとうございます」


「はあ?」


なぜか、鎌田社長からお礼を言われてしまった。


「こいつは私の息子です」


目付きの鋭い人が、ポケットから取り出したのは、名刺入れだった。


「父の後を継ぐ事になりました。どうぞよろしくお願いします」


「はあ、よろしくお願いします」


私は何がなんだか分からなくて、鎌田ジュニアにぺこりとお辞儀をした。


「私のフィアンセは少々混乱してるようです。失礼をお許しください。
ところで、今日はいかがでしたか?」