素敵すぎる上司

「姉貴、がんばれよ?」


「しっかりね、お姉ちゃん」


「うん、行ってくるね」


前の方に歩いていたら、ゆかりちゃんがいた。


「佳奈子、やったね。おめでとう」


「え? うん、ありがとう、でいいのかなあ」


「いいに決まってんじゃん。香取さんと幸せになってね?」


「ありがとう」


更に前へ行くと、愛しい拓哉さんが笑顔で迎えてくれた。


「良く来てくれたね」


「私、今まであなたに嘘を……」


「全部分かってるから、言わなくていいよ」


「拓哉さん……」


「佳奈子……」


ゴホン


私達は、抱き合う寸前に、鈴木さんの咳ばらいで止められてしまった。


「課長、始めますよ」


「ああ、頼む」


鈴木さんはマイクを持ち、檀上へ上がった。


「え〜、お待たせ致しました。それではこれより、香取拓哉氏と、渡辺……」


「ちょっと待った!」