素敵すぎる上司

その日の夜、拓哉さんが会社の帰りに家へ来てくれた。


「お邪魔するよ……」


「いらっしゃ〜い!」


すぐに郁美が玄関で拓哉さんを出迎えていた。まるで拓哉さんに抱き着きそうな勢いだった。


私は、わざと拓哉さんを出迎えなかった。


「佳奈子、いないのかと思ったよ」


「ああ、こんばんは」


「夕ご飯はあるかな?」


「さあ……。郁美、香取さんのご飯はあるの?」


「あるよ〜」


「だそうです。私は疲れたので、先に休ませていただきます」


そう言って、私は自分の部屋へ向かった。


階段を上がっていると、後ろから拓哉さんが追い掛けて来るので、急いで部屋のドアを開けようとしたが、寸前で拓哉さんに肩を掴まれてしまった。